福江研究室では,熱流体工学を基盤にした,3つの領域の研究を進めています.
具体的な研究テーマを,それぞれのページで簡単にですが紹介します.

◇ バイオミメティクス(生態模倣工学)に着眼した革新的な熱流体制御技術の創成 (page)
   (Keywords: 脈を打つ流れ, 魚類の泳動作, リブレット構造,etc…)

◇ 1DCAE の概念に基づく次世代の魅力品質の創出に向けた熱流体設計法の研究開発 (page)
   (Keywords: 1DCAE,デライト設計,熱流体抵抗網法,
    トポロジー最適化,Ashby法,工学教育,etc…)

◇ 電子機器のサーマルマネジメントの高度化に向けた諸研究 (page)
   (Keywords: ファン空冷・ポンプ水冷,P-Q曲線,ヒートシンク,
     温度計測,熱物性評価,2D/3D印刷技術,熱設計標準化,etc…)

※ 研究室の近年のトレンドについては,代表的な報告等のリストをまとめていますので,そちらもご参照ください.

※ 詳細な研究業績等は researchmap もご参照ください.

研究を考える・進める上で大事にしている思想

◇ 自然界の進化と機能に学ぶ
  :身のまわりの「なぜ」に気づき,考え,チャレンジする
わたしたち生命や,身の回りの自然には様々な不思議があります.普段「当たり前」だと思っている自然界の不思議が,実は長年の生命や自然の進化で効率化されたり最適化されたりしているとしたら,それは新しいものづくりに向けた大きなヒントになります.そこで,身近な自然界にある「なぜ」の本質に気づき,新しいものづくりに繋げること(=身のまわりの「なぜ」を見逃さずに気づき,その理由や本質を考え視野や経験を広げること)を目指しています.特に,福江研究室は「流れ」の研究室ですので,持続可能な社会の構築に向けたグリーンイノベーションにも貢献できるよう,自然界の構造に学んでいきたいと考えています.これらの検証が,いずれは自然界の進化の不思議そのものも解き明かすヒントになることも期待しています.

◇ スケールシフト学
  :対象によって,解は一意ではない
そんな自然界の「良いこと」は,適材適所に対して適切に応用することでその真価を発揮すると考えます.対象とする製品やシステムの目指す「立ち位置」によっては,肝になる物理現象の捉え方や, ベストな道具の使い方も変わってしまうかもしれません.例えば身近な例の1つ「人付き合い」でも,友達に対する接し方と,家族に対する接し方は無意識のうちに変えている方が多いのではないかと思います.このように,スケールや対象が変わった場合に,何が違って何が同じなのかを考え,適切な理解を図ることは,研究や提案の価値を高めるうえで極めて重要です.スケールシフト学[1]が,岩渕先生により提唱されています.スケールシフトの目線を忘れないような研究推進を心がけています.

[1] 岩渕明, 「スケールシフト学」考 : 新たな視点で科学する (2018), 白ゆり出版.

◇ 1DCAEの概念に基づいた研究展開
   :まずは定義
機械工学が関連するものづくりの基本は力学であり,その本質を見逃さずに良い製品を作ることはできません.新しいことにチャレンジするからこそ,現象の本質(肝)を正しく理解し分析すること,その経験を正しく積み重ねて正当な判断ができることが求められていると考えます.実際のものづくりにおける現象は複雑ですが,幸運なことは物理現象であり,例えば熱設計の部品の温度上昇も適切に伝熱現象を分解・整理することで理論に合致します[2].1DCAEの概念[3]に謳われるように,適切に道具を使い,納得のいく結論が出るまで議論を積み重ねることを忘れないことが肝要です.富山高専・磯邉先生から,講義にて「まずは定義」:機械工学のものづくりの根幹をなす力学の正しい定義を理解し,適切に応用することの重要性をご指導いただきました.大きく,楽しく,嬉しい夢を実現するためにこそ,まずは現象の本質を学び,把握し理解すること.このことを忘れずに新しいチャレンジができるような活動を,研究室メンバやご指導・ご支援いただいている皆様と重ねていきたいと考えています.

[2] 石塚勝, 図解入門 よくわかる電子機器の熱設計 (2009), 秀和システム.
[3] 大富浩一, “1DCAEの背景、考え方、課題、今後”, 日本機械学会誌, 120-1188 (2017), 10-15.