2026年度 大学院工学研究科 機械工学専攻の開講科目「モデルベースデザイン特論」が現在進行中です.本講義は瀬戸先生と共同で担当しており,福江が例年受け持っている「熱流体と1D-CAEに基づくMBDのプラントモデリング」のパートが無事に完了いたしました.

今期のMBD特論(1D-CAEパート)では,1Dモデリングと3Dモデリングのギャップ,および1Dモデリングの前提となる「3Dからの次元縮退」に着目しました.まず,実際の三次元熱流体の方程式群から,集中定数系モデリングの基本となる1Dベースの機能方程式群へ落とし込むプロセスとその前提条件について解説しました.続いて,熱流体における1Dモデリングの基礎として,熱抵抗網,熱回路網法,熱流体抵抗網法の導出について説明し,自動車の伝熱モデルを題材としたプラントモデリングの手法について全体でPBL的に討論を行いました.

1D-CAEパートの最終回(7/23)には,昨年度に引き続き,広島大学大学院 先進理工系科学研究科准教授・一般社団法人デジケーション代表理事の脇谷伸先生をお招きし,「制御工学の視点から見る1DCAE・MBDの世界」と題した特別講演を賜りました.脇谷先生は,制御工学の視点からMBDの学術研究および社会実装を先導され,第8回日本オープンイノベーション大賞 文部科学大臣賞を受賞されています(改めまして本当におめでとうございます!). ご講演では,「製品を動かす」ことを目的とした集中定数系のモデリング手法や制御設計について,数学的背景との接続も含めてご説明いただきました.制御系のシステムモデリングと物理現象のプラントモデリングにおける,考え方や切り口の違いを深く考える,非常に貴重な機会となりました.

今年度も,瀬戸先生による構造系の3D-CAEベースMBD,福江による熱流体における1D-CAEベースのプラントモデリング・MBD,そして脇谷先生による集中定数系のシステム・制御系MBDと,多角的な視点から講義が行われました.俯瞰的に設計の「いま」と「将来」を学び,付加価値を向上させるための次世代のデザインを考える場となり,福江自身も大変多くの学びを頂戴いたしました.来週(7/30)の最終回では,学生たちによる設計課題の最終プレゼンテーションが行われる予定です.

末筆となりますが,大変ご多用な中,今年度もお力添えをいただきました脇谷先生に厚く御礼申し上げます.今後ともご指導ご鞭撻のほど,何卒よろしくお願い申し上げます.